2012年12月13日木曜日

11月の支援活動


11月も東北にて支援活動を展開しました。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。

11月1日 加藤 寛JSTSS震災特別委員会委員長(兵庫県こころのケアセンター)
定例となっている気仙沼保健所でのコンサルテーション活動。
今後の被災者の健康調査計画やその後のフォローアップについて話し合われ、具体的な計画案を策定しました。

11月9日 前田正治JSTSS会長 (久留米大学医学部精神神経科学教室) 
会津若松市にて、福島県の精神科医療関係者・行政関係者約400名を対象に、「原発災害と支援者ストレス」について講演を行いました。

11月14・15日 加藤 寛 JSTSS震災特別委員会委員長(兵庫県こころのケアセンター) 
宮城県主催の「被災者への心のケアに関する研修会」が14日仙台市、15日石巻市と二日に渡り行われました。
加藤委員長は両日、「疫学的調査を現場活動に活用する方法」をテーマとして講演。
両日で約110名の保健師、看護師、精神保健福祉士等の支援に関わる方々が聴講されました。

講義を行う加藤委員長


11月20日 前田正治JSTSS会長 (久留米大学医学部精神神経科学教室) 
南相馬市総合市民病院にて、おもに病院職員の方を対象に、「支援者にかかるトラウマ性ストレス」をテーマに講演を行いました。

11月21日 前田正治JSTSS会長 (久留米大学医学部精神神経科学教室) 
福島こころのケアセンターにて、コンサルテーション活動を行いました。

11月22日 前田正治JSTSS会長 (久留米大学医学部精神神経科学教室) 
午前中には福島こころの ケアセンター職員と共に事例検討会に参加。午後からは南相馬市の子どもの健康をめぐる検討会に参加しました。

12月も各地で支援活動を行ってまいります。

2012年11月8日木曜日

10月の支援活動


10月も福島、宮城、岩手の三県で支援活動を展開しました。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。


10月2日 重村淳JSTSS副会長(防衛医科大学校精神科学講座)
福島第一原発の所在地である双葉町は埼玉県加須市の旧騎西高校に自治体・住民が避難していますが、職員たちは避難所と同じ敷地内で膨大な業務に追われています。
重村淳JSTSS副会長は、2012年6月以降、職員のケア・事例相談を行う為に町役場を継続的に訪問。
今回も双葉町保健業務担当者、ふくしま心のケアセンター職員の方々と双葉町住民のメンタルヘルス事例コンサルテーションを行いました。

10月5日 亀岡智美JSTSS理事(兵庫県こころのケアセンター)
       野坂祐子JSTSS会員(大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター)
岩手県宮古市にて、「子どものトラウマへの実際」「TF-CBTの被災地での応用」「TF-CBTの構成要素」の3テーマにて子どもの心のケア専門研修を実施。
児童相談所と公立小学校および中学校の教職員が対象であり、17名が参加されました。


講義を行う亀岡JSTSS理事


野坂JSTSS会員(写真左)



10月17日 重村淳JSTSS副会長(防衛医科大学校精神科学講座)
再び双葉町役場のある埼玉県加須市を訪問。
今回は町役場の安全衛生委員会にオブザーバー参加し、町の現状を各担当者から聞くともに、移転に向けての職員のメンタルヘルス対策を協議しました。


10月31日 加藤 寛JSTSS震災特別委員会委員長(兵庫県こころのケアセンター)
宮城県からの要請により、今後行われる被災住民調査を現場活動でどのように活用していくかをテーマに講演。
地域の保健師、看護師を中心とした約70名が参加されました。


現在の気仙沼の様子



加藤委員長の講演の様子



11月も引き続き気仙沼、石巻、双葉町役場等で活動を行う予定です。

2012年10月9日火曜日

9月の支援活動

9月のJSTSSの被災地支援活動は以下の通りです。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。

9月7日 重村淳JSTSS副会長(防衛医科大学校精神科学講座)
「平成24年度県中保健福祉事務所管内精神保健福祉担当者会議」に出席。
「災害後に必要な行政ですすめる自殺対策のポイント」というテーマにて講義を行う。
保健所・管内市町村保健職など約20名が参加。


9月8日9日 大澤智子JSTSS副会長(兵庫県こころのケアセンター)
岩手県臨床心理士会にて、サイコロジカル・リカバリー・スキルの研修会。


9月12日 加藤JSTSS震災特別委員会委員長(兵庫県こころのケアセンター)
大船渡保健所にて現地情報のヒアリング、陸前高田市役所にて、未来図会議のためのミーティングに参加。

9月13日 加藤JSTSS震災特別委員会委員長(兵庫県こころのケアセンター)
気仙沼保健所、みやぎ心のケアセンター気仙沼地域センターにてミーティング、コンサルテーション。

被災地の今(気仙沼市)


気仙沼保健所のミーティング風景


健康調査を現場活動にどのように活かすかについて、
レクチャーを行う加藤委員長(右から4人目)



9月18日 前田正治JSTSS会長(久留米大学医学部精神神経科学教室)
南相馬市原町保健センターにて、「福島県における母子のこころの問題」をテーマに講演。

9月20日21日 前田正治会長(久留米大学医学部精神神経科学教室)
飯館村、浪江町の支援者を対象としたコンサルテーション。


10月も東北3県の各地で活動を行ってまいります。

福島県知事より感謝状をいただきました。





JSTSSが行っている東日本大震災における心のケア支援活動に対して、福島県佐藤雄平知事より感謝状を頂きました。

この支援活動は、主に公益社団法人Civic Force様(2011年度)、そしてJCCCNC様(2012年~)の助成に支えられ行われています。
改めまして深く感謝申し上げます。

今後も被災地復興の一助となるよう、活動を継続してまいります。

2012年10月4日木曜日

アメリカより寄附をいただきました。





アメリカのHeather Bourbeauさん、Liz Worthyさん(ジャーナリスト/アーティスト)よりJSTSSへ寄附をいただきました。
ボトルを販売するチャリティー活動で集めた630ドルを当学会へ寄附して下さいました。
そして、JSTSSが行っている被災地支援活動への感謝の気持ちが綴られた手紙と共にボトルや折り鶴、写真が事務局へと届けられました。

この寄附金は被災地支援の活動の為に、大切に使わせていただきます。
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

Heather BourbeauさんのHP http://www.heatherbourbeau.com/
Liz WorthyさんのHP http://www.lizworthy.com/

2012年9月11日火曜日

米国の医学雑誌に重村理事の研究論文が掲載されました。

このたび、JSTSS重村淳副会長(防衛医科大学校精神科学講座)の研究論文「福島原子力発電所職員の心理的苦悩」が、米国の最も権威ある医学雑誌JAMA(The Journal of the American Medical Association:米国医師会雑誌) 2012 年8 月15 日号に、掲載されました。
この災害で最も過酷な体験と業務を強いられた、原発職員の方々の苦悩を科学的手法を用いて報告した貴重な論文です。

雑誌名 JAMA(The Journal of the American Medical Association:米国医師会雑誌)
2012 年8 月15 日号
http://jama.jamanetwork.com/

論文名 Psychological distress in workers at the Fukushima nuclear power plants
(福島原子力発電所職員の心理的苦悩)

筆者名 重村淳1)、谷川武2)、斉藤功2)、野村總一郎1)
1) 防衛医科大学校病院 精神科
2) 愛媛大学大学院医学系研究科 医療環境情報解析学講座 公衆衛生・健康医学分野

さらに、同じく米国の医学雑誌American Journal of Psychiatryに 重村副会長による論文「福島第一原子力発電所職員へのメンタルヘルスサポートの立ち上げ」 が掲載されました。こちらもご参照下さい。

日本語訳
http://www.usaco.co.jp/article/index.html

論文名 Launch of Mental Health Support to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Workers
(福島第一原子力発電所職員へのメンタルヘル スサポートの立ち上げ)

筆者名 重村淳1)、谷川武2)
1) 防衛医科大学校病院 精神科
2) 愛媛大学大学院医学系研究科 医療環境情報解析学講座 公衆衛生・健康医学分野


2012年8月8日水曜日

福島県田村市役所訪問と研修会を行いました。


訪問した田村市役所

研修会の様子


7月24日、JSTSS重村副会長(防衛医科大学校精神科学講座)は福島県田村市役所を訪問。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。

午前は保健関係者計6名で今後の精神保健対策を協議、10月の自殺対策イベントに向けて打ち合わせを行いました。
また午後からは、福島県県中保健所・ふくしま心のケアセンター職員とともに「支援者のためのストレスケア研修会」を開催。
講演「働く人のためのストレスケア~健康に仕事をするためにできること~」を実施しました。
参加者は管内自治体保健職員など約20名。
さらに事例検討会も実施しました。

次回は9月に訪問予定です。

7月18日双葉町役場を再訪


双葉町役場が置かれている旧騎西高校


JSTSS重村副会長(防衛医科大学校精神科学講座)は定例となっている双葉町職員へのコンサルテーションのため、再び役場を訪問しました。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。

福島第一原発の所在地である双葉町は埼玉県加須市の旧騎西高校に自治体・住民が避難していますが、職員たちは避難所と同じ敷地内で膨大な業務に追われています。

今回も、双葉町保健業務担当者、ふくしま心のケアセンター職員、埼玉県加須保健所職員を対象に職員の健康対策の協議、事例コンサルテーションを行い、職員の健康管理対策を引き続き進めていくことで合意しました。

今後も活動を継続していく予定です。

2012年7月5日木曜日

岩手県精神保健福祉センターでの職員へのコンサルテーションを行いました。


支援者支援について熱心に議論しました。


6月21日にはJSTSS震災特別委員会 加藤寛 委員長(兵庫県こころのケアセンター)が岩手県精神保健福祉センターにて職員へのコンサルテーションを行いました。
この活動はJCCCNC様からの支援を受けています。

支援者支援が今後の活動の中で重要なテーマであることは共通認識としてあります。
それをどのように進めて行くのかについて、ノウハウを教えて欲しいということでしたので、阪神淡路大震災以降の、主に兵庫県での活動について例示しながら、具体的に必要なことについて助言しました。

岩手県県庁の精神保健担当部局のスタッフに対 するコンサルテーションを行いました。


岩手医大の中に設置された統括センター


6月20日、JSTSS震災特別委員会 加藤寛 委員長(兵庫県こころのケアセンター)は、岩手県県庁の精神保健担当部局のスタッフに対するコンサルテーションを行いました。
この活動はJCCCNC様からの支援を受けています。

これまでの各地域の活動についての概要をお聞きし、全体的にとても充実した活動を展開されていることが理解できました。
特に外部からの支援者が、最長1年間、沿岸部において活 動を継続していたとのことで、その支援チームが去った現在、それをどう補完するかが大 きなテーマであることが見えてきました。
この問題はいわて心のケアセンターの活動を考える上でも 重要な点であることが話し合われました。
その後、岩手医大の中に設置された岩手県心のケアセンターを訪問しました。

気仙沼保健所にて、定例のコンサルテーショ ン。



気仙沼港の周囲からはがれきはほとんど撤去されましたが、
残っている建物は損傷がひどく使えるものはほとんどありません。



かつては岸壁を埋め尽くした漁船も数えるほど。


先月に引き続き、JSTSS震災特別委員会 加藤寛 委員長(兵庫県こころのケアセンター)は、気仙沼保健所を6月13日に訪問。
気仙沼圏域の今後の長期的な活動についての計画作りを吟味しました。
担当者が4月から変わったため、3月までに作った活動の方向性について優先順位を検討。
その議論の中で、地域内に新たに多く雇用されたセミプロともいうべき支援者たち(震災前は全く対人サービス職に就いていなかった人たち)への啓発教育とサポートが最重要課題であることが確認できました。
また、気仙沼地域に作られたこころのケアセンターのスタッフとも議論を行い、センターの活動の方向性について確認しました。
この活動はJCCCNC様からの支援を受けています。

2012年6月28日木曜日

福島県双葉町民への心のケア支援活動で再び加須市を訪れました。





JSTSS重村副会長(防衛大学校精神科学講座)は、埼玉県加須市を再び訪問し、福島県双葉町民のこころのケア支援活動を行いました。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。

福島第一原発の所在地である双葉町は、原発事故後、埼玉県加須市にある旧騎西高校に自治体・住民が避難。
いまだに避難所が運営されており、東日本大震災で唯一残る避難所となっています。

今回は双葉町保健業務担当者、ふくしま心のケアセンター職員、埼玉県加須保健所職員を対象に、職員の健康対策の協議、事例検討コンサルテーションを行いました。

来月以降も関係者と引き続き連携し、職員の健康管理対策、事例検討会などを行っていく予定です。

2012年6月27日水曜日

福島県中保健所にて第1回被災者心のケア事業打合せ会を行いました。





ふくしま心のケアセンターの設立を受けて、県中保健所管内では、県中方部センター配属職員と保健所職員が4月より被災者支援活動を開始しています。

6月19日、JSTSS重村副会長(防衛医科大学校精神科講座)は福島県県中保健福祉事務所(福島県須賀川市) を訪問し、福島県中保健所職員、ふくしま心のケアセンター県中方部センター職員など計10名の方を対象に 打合せ会および助言とミニレクチャーを行いました。
この活動はJCCCNC様の支援を受けています。

この打ち合わせ会は、センター設立後初の開催で、参加者各自からはこれまでの活動経験、現在の活動で抱えている課題が報告されました。
その上で、現在の課題、活動の方向性についての整理、支援者教育体制、支援者ストレス対処法などを協議し、山口保健所長、重村理事が助言を行いました。
また「支援する我々が大切にすること」というレクチャーを実施し、今後の情報交換、連携を確認しました。
保健所職員によるお茶・菓子・音楽の準備で、終始リラックスした雰囲気で行われ、支援者にとっての「ひとやすみの会」となる意義深い会でした。

7月以降もニーズに合わせた研修会、個別相談、事例検討会など実施する予定です。

2012年6月19日火曜日

5月25日、福島県県北保健所にて講演及び相談事業を行いました。



講演では、この春に立ち上がった福島県こころのケアセンター(昼田センター長)のスタッフを中心に多くの方々(100名前後)に集まっていただきました。
この活動はJCCCNC様の支援を受け、行っています。

内容は支援者のストレスです。
多くの行政職員は相当の疲弊を感じていますし、睡眠障害や集中障害といった状態に陥っている人もいます。
言うまでもないことですが、職員の方々もまた被災者でありながら、立場ゆえに一層強い自責感や無力感に悩んでおられる方も少なくありません。
最も困難なことは、なかなか復興の足取りが見えないことです。
立場上なかなかそうした不安を語れないことがあるでしょうが、やはり自身の健康を考える場はとても大切と考えています。

行政支援職スタッフの方々と貴重な時間を過ごすことができました。
次回はまた6月20日~22日に、より少数の方々とコンサルテーションなどを行う予定です。
微力ながら皆さんのお手伝いができればと思います。

前田正治記
(JSTSS会長/久留米大学医学部精神神経科学教室准教授)

2012年6月14日木曜日

福島県双葉町民への心のケア活動支援がスタートしました。




福島県双葉町役場となっている旧埼玉県立騎西高校(埼玉県加須市)



訪問した加須保健所


福島第一原発の所在地である双葉町は、原発事故後、埼玉県加須市の旧騎西高校に自治体・住民が避難しています。
いまだに避難所が運営され(東日本大震災で唯一残る避難所)、職員たちは避難所と同じ敷地内で膨大な業務に追われています。

6月11日、双葉町保健業務担当者、ふくしま心のケアセンター職員、埼玉県加須保健所職員を対象に、JSTSS重村副会長(防衛医科大学校精神科講座)は心のケア活動に関するコンサルテーションを行うべく、福島県双葉町役場(埼玉県加須市、旧埼玉県立騎西高校)を訪問しました。
この活動はJCCCNC様からの支援を受けています。

打合せでは、各自の役割を明確化し、職員が感じているストレスの聞き取り、健康管理にむけての提言方法、今後の連携などを話し合いました。

今後は関係者と連携し、職員の健康管理対策を協働策定するほか、事例検討会を続けていく予定となっています。

2012年6月13日水曜日

かかりつけ医対象 震災とこころのケア研修を塩釜市で行いました。







日本トラウマティック・ストレス学会とファイザー株式会社の共催事業として、日本医師会、国立精神神経医療研究センターの後援を受け、被災地のかかりつけ医を対象とした震災とこころのケア研修を行っています。

6月5日に塩釜市医師会会員医師、近隣自治体職員(塩釜市・多賀城市・七ヶ浜町・松島町・利府町など) を対象に、「一般臨床に求められるこころのケアの知識」をテーマとして、JSTSS重村淳理事(防衛医科大学校精神科講座)が講演を行いました。
JSTSSとファイザー株式会社の共催事業としては初の宮城県での講演で、当初の予定であった20名を大幅に越える約40名の方が参加されました。

講演では、医師会医師や支援者が震災後に関わりうる精神障害、特にうつ病・アルコール症・PTSDについて詳解。
医療関係者など支援者が被災者でありながら支援活動を行う重要性を労うとともに、いたわりが必要であることを説明しました。

2012年5月29日火曜日

2012年度も活動継続中です。

2011年度はシビックフォース様の助成を受け活動を行い、大きな成果を上げることができました。 この場を借りてお礼を申し上げます。

そして今年度からの被災地における活動はJapanese Cultural and Community Center of Northern California(JCCCNC)様の助成によって継続できることとなりました。
ご協力を頂いた関係者の方々に深くお礼申し上げます。

この助成が決まった背景には、カリフォルニアは自然災害が多く、1988年のサンフランシスコ地震、1994年のノースリッジ地震などの地震被害を受けていることから、心のケアに関して日本の関係者はカリフォルニアの専門家から多くのことを学んできたということがあります。
また今回はサンフランシスコ在住のホンマ・トゥルー・レイコ先生にご助力いただきました。

今後約3年に渡り、JCCCNC様の助成による活動を続けていきます。

5月23日みやぎ心のケアセンターにて講演を行いました。






5月23日みやぎ心のケアセンター及び宮城県の関係者に対し、JSTSS震災特別委員会 加藤寛委員長(兵庫県こころのケアセンター)が講演を行いました。
みやぎ心のケアセンターは昨年の11月に開設され、準備期間を経てこの4月から本格的に活動を展開しています。
今回はそのスタッフ研修に協力をしました。

阪神大震災以降の活動及びこれまでの東北の被災地で見てきた状況を踏まえて、今後の活動の方向性や注意すべき点について熱心に討論が行われました。

写真は石巻保健所内に開設されている石巻地域センターの様子です。
保健所内にある元レントゲン室を改装して設置されています。
今後も継続的に支援活動を行っていく予定です。

5月24日石巻保健所にてコンサルテーション活動を行いました。






5月24日、宮城県石巻保健所をJSTSS震災特別委員会 加藤寛委員長(兵庫県こころのケアセンター)が訪問し、保健所のスタッフとこれまでの活動の振り返りと今後の活動の計画について話し合いました。
また午後には石巻圏域の3つの市町の担当者も加わり、精神保健福祉会議が行われました。

宮城県の中でも、最も被災の激しかったこの地域で、混乱の中にありながら、これまで各市町の担当者は素晴らしい活動を展開してきました。
それを今後継続していくために、新たな問題を発見し将来に残るシステムに発展させるための計画作りが行われようとしています。

こうした情報を交換しながら、活動を長期に続けていくための注意点、特に担当者自身のセルフケアをすることの重要性をお伝えしました。

2012年3月31日土曜日

平成23年度 第二回 子どもの心のケア専門研修






2月に行われた第一回に続き、3月23日に第二回となる子どもの心のケア専門研修が岩手県福祉総合相談センターにて行われました。
対象はおもに児童相談所と児童福祉施設の職員で計18名です。
この活動は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。 

研修の講師を担当したのは、JSTSS震災特別委員会亀岡智美委員(大阪府こころの健康センター)、JSTSS岩切昌宏理事(大阪教育大学 学校危機メンタルサポートセンター)、JSTSS野坂祐子会員(大阪教育大学学校危機 メンタルサポートセンター)の3名です。

午前中は支援者自身のストレス(惨事ストレス、二次的外傷性ストレス、代理トラウマなど)について説明し、支援者のメンタルヘルスの重要性について示しました。
また、支援者のセルフケアとしても有効であるストレスマネジメント技法について解説し、
参加者同士での実習をおこないました。
午後は、2時間の情報交換会を行い、参加者からの質問に応答。
とくに、支援者自身のストレスや職場のメンタルヘルスについての話題が出されました。
何らかのストレス症状を自覚している参加者が多く、支援にあたっての困難さなども報告されていました。

2012年3月28日水曜日

いわき市「震災後のこころのケア」研修






3月10日、いわき市社会福祉センターにて「震災後のこころのケア」をテーマに研修を行いました。

今回の研修は、いわき市から委託を受けて高齢者の介護予防及び総合相談等を担う特定非営利活動法人地域福祉ネットワークいわきが運営する、地域包括支援センターの職員(保健師、社会福祉士、介護支援専門員、ソーシャルワーカー等)約50名の方にご参加いただきました。
当研修は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。

研修の講師は、JSTSS震災特別委員会小西聖子委員(武蔵野大学教授)が務めました。

震災後のこころのケアを考えるにあたって、これまでの災害時に行われてきたこころのケアと、福島県に特化している被災者のこころのケアについて整理しました。
これにより、本震災で支援者の対応の難しさについて、参加者が客観的に理解する機会となり、参加者間で置かれている状況や問題を共有することができました。
また、事前に参加者より質問事項を挙げていただき、研修ではそれらの質問をひとつひとつ取り上げました。
時には質問者に質問の意図や背景を語っていただきながら、質問に対する対応策や考え方を伝えたため、参加者の困難に直接応じる研修内容となりました。
大事な人・ものを失うことの心理的問題、支援者に生じやすいストレス反応やセルフチェックの方法、ストレス防止に役立つと言われていること、などについて具体例を交えて伝え、
支援に役立つ情報提供・共有の場となることができました。

2012年3月21日水曜日

被災者の心の健康推進事業研修会(第2日目)






2月に行われた第一日目に続き、3月6日に被災者の心の健康推進事業研修会の第2日目が行われました。
研修会には、県中保健福祉事務所職員、管内市町保健福祉担当者など約30名が参加。
震災後1年間の活動を県中保健福祉事務所、県臨床心理士会が発表しました。

ワークショップ「被災者も支援者も元気を保つために大切にしたいこと」では、専門家間でその意義や課題について意見交換・議論が行われました。
前回に続いて研修会を担当したJSTSS重村理事(防衛医科大学校精神科学講座)は、小講演を行ったほか、助言者として発表者・ワークショップ発表者の意見にコメントし、支援活動の意義を改めて説明しました。

4月以降も、新設された「福島県こころのケアセンター」職員や、県中保健福祉事務所、県臨床心理士会と連携し、教育・研修を続けていきます。

2012年3月6日火曜日

JSTSSの活動が動画で紹介されました。

この度JSTSSがパートナー協働事業として支援を受けている公益財団法人Civic Force様のホームページにて、当学会の活動が動画で紹介されました。
震災特別委員会加藤委員長がインタビューを受けています。

こちらからご覧いただけます。

被災者の心の健康推進事業研修会




2月17日、先月に引き続きJSTSS重村理事(防衛医科大学校精神科学講座)が福島県県中保健福祉事務所を訪問しました。
今回は、「大規模災害が心に与える影響~震災の日を前に準備しておきたいこと~」 をテーマに被災者の心の健康推進事業研修会(第1日目)を行いました。
研修会には県中福祉事務所職員、管内市町保健福祉担当者など約30名が参加し、震災1周年に向けて心構えを講義。
またワークショップ形式での討議では、専門家間で活発な意見交換・議論が行われ、これまでの業務の振り返りや1周年の過ごし方をグループ発表し、盛況のうちに研修会は終了しました。

第2日目は本日3月6日に県中保健福祉事務所および管内市町村職員を対象とした研修会として行われます。

2012年2月28日火曜日

震災1周年に向けてできること

間もなく震災一周年を迎えるにあたり、テレビなどでの報道が今後増えていくことが予想されます。
過剰な反応を引き起こさない為の注意点について、JSTSS重村淳理事(防衛医科大学校精神科学講座)がまとめました。
JSTSSのホームページ「被災者に心理的支援を行う方のための資料集」からご覧いただけます。

震災1周年に向けてできること

気仙沼、南三陸町にてコンサルテーション活動を行いました。





気仙沼保健所でのコンサルテーションの様子



南三陸町役場



南三陸町役場でのコンサルテーション



南三陸町


2月15日・16日JSTSS震災特別委員会 加藤寛委員長(兵庫県こころのケアセンター)とアシスタント1名は宮城県気仙沼市保健所および南三陸町役場にて、保健担当者とこころのケア活動についてのコンサルテーション活動を行いました。
この活動は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。
 
 2月15日は気仙沼市保健所管内となる南三陸町にて震災後から保健活動の情報収集を行いました。そして、これまでの保健活動の成果と今後の課題について整理し、今後の保健活動の方向性について話し合いました。午後は①気仙沼市消防署にて震災後からの職員の精神保健対策についての情報収集と今後の精神保健対策についてのコンサルテーション②医療機関のボランティアグループによる支援者支援の一環として行われたグループミーティングに参加しました。グループミーティングは南三陸町被災者支援員が対象であり、活発な意見交換が行われていました。
 ※他機関主催のため写真は割愛致します。

2月16日は気仙沼保健所にて、これまでに策定した長期の精神保健計画に基づき、次年度の精神保健活動に向けて具体的な実施計画案を立てました。
こころの健康を含む住民への健康調査やNPOやNGOといった民間のボランティア団体と行政の連携のあり方などについて話し合いを行いました。また、震災一周年を迎えるあたり、行政機関としての記念日反応の対応についても議論しました。

2012年2月22日水曜日

平成23年度 子どもの心のケア専門研修








研修の様子


2月10日、岩手県福祉総合相談センターにて子どもの心のケア専門研修が、児童相談所と児童福祉施設の職員など20名を対象に行われました。
この活動は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。 

「子どものトラウマへの理解と対応~記念日を迎えるにあたって~」をテーマに、前半をJSTSS震災特別委員会亀岡智美委員(大阪府こころの健康センター)、後半をJSTSS岩切昌宏理事(大阪教育大学 学校危機メンタルサポートセンター)とJSTSS野坂祐子会員(大阪教育大学学校危機 メンタルサポートセンター)が担当。

午前の研修では子どものトラウマの説明と症状の解説、グリーフの説明とケアの基本等について、参加者の共通理解を図りました。
震災より1年目を迎える1か月前の時期の研修であったことから、記念日をどう迎えるかという点を中心に説明を行いました。
また職員の悲嘆も大きいことから、知識の提供とともに支援者に対する心理的援助の機会ともなりました。

午後は、参加者からの質問に応答し、支援対象である子どもや家族、施設・学校園の状況について2時間の情報交換会を行い、死別ケースにおいての支援の困難さなどが語られました。

この研修は第二回目が3月23日に行われる予定です。

2012年2月4日土曜日

1月18日福島県青少年育成活動推進指導者等研修会




「震災の影響によりストレス等を抱える青少年を地域で支えるために」をテーマに、平成23年度福島県青少年育成活動推進指導者等研修会が、福島県青少年会館にて行われました。
昨年の12月会津大学での開催に引き続き、JSTSS廣常理事(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター精神科科長)が講師を務めました。

主催:福島県
共催:福島県青少年育成県民会議、会津若松市、福島市、JSTSS
後援:福島県教育委員会
NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援も受けています。

研修対象は福島県青少年育成県民会議会議員、市町村民会議会議員、青少年関係指導者、青少年育成アドバイザー、青少年育成関係NPO法人関係者、小中高等学校関係者、同PTA役員等、各市町村青少年行政担当者。

当初の定員数を遥かに超え140名ほどお集まりいただき、会館内で2室に分けてサテライト方式で行われました。

研修は災害後の子ども心身レベルにおける中長期的反応と原発災害についての話が中心となり、質疑応答には小一時間を割き、多くの質問をいただきました。