復興期に入り、被災地における心理的支援(心のケア)は、
各地域の実情にあわせて、さまざまな展開を見せています。
本サイトでは、日本トラウマティック・ストレス学会(JSTSS)が取り組んでいる
プロジェクトを中心に、復興期の活動状況について情報をお伝えしていきます。
本サイトはリンクフリーです。
2011年12月27日火曜日
12/13 平成23年度自殺予防支援者研修会
12月13日、福島県県中保健福祉事務所、JSTSS共催の「平成23年度自殺予防支援者研修会」にて、 JSTSS重村理事(防衛医科大学校精神科学講座講師)は 「大規模災害が心に与える影響と自殺の危機:相談者への基本的な対応」を テーマに 講義を行いました。
当研修は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。
受講者は、保健所職員、管内市町村職員、管内地域包括支援センター職員、 民生委員、県中ゲートーキーパー要請研修受講者など約100名。
主な内容は大震災後に起こりうる変化(うつ病、PTSD、悲嘆)と自殺との関連性、その防止方法についてでした。
また、重村理事は福島県精神保健福祉センター、福島県県中保健福祉事務所担当者、管内市役所職員との会合、仮設住宅視察なども行いました。
今後も定期的なコンサルテーションという形で活動を展開していく予定です。
12/8 福島県県北保健福祉事務所にて研修を行いました。
12月8日、福島県県北保健福祉事務所にて、市町村職員、精神保健福祉センターおよび保健福祉事務所職員(約30名)を対象に研修を行いました。
講師はJSTSS 前田正治会長(久留米大学医学部精神神経科学教室准教授)が担当。
当研修は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。
「震災が被災者にもたらす心身の問題」をテーマに講義を行い、その後参加者をいくつかのグループに分けて討議を行いました。
そして最後に全体での討議を行い研修は終了となりました。
今回の訪問では各関係者の皆さまと協議を重ね、以下の課題点を把握することができました。
1.放射能にまつわる家族の離別の問題
2.中高年男性、高齢者など、避難所外に出ない人へのアプローチ
3.睡眠剤など薬に対する偏見があるため、精神科治療が遅れること。
4.先の見通しが立たず、自殺につながる事態への対処。
5.支援者のフォロー体制作り
今後も現地のニーズを確認しながら、活動を展開する予定です。
2011年12月14日水曜日
12/7、8 仙台にて災害時のこころのケア研修会を行いました。
こちらのブログでも告知をしておりました災害時のこころのケア研修会を、12月7日・8日の二日間、日本トラウマティック・ストレス学会と日本イーライリリー株式会社の共催で行い、好評のうちに終了しました。
7日は約70名、8日は約40名の方にご参加いただき、両日とも多くのロールプレイが行われ、実践的な内容となりました。
参加者は東北や関東のJSTSS学会員、東北三県で支援活動を行われている皆さんが中心で、北は北海道から南は徳島まで、その他兵庫、大阪、岐阜、愛知など、各地からはるばる仙台まで多くの方にお越しいただきました。
初日はJSTSS震災特別委員会加藤寛委員長の開会の辞から始まり、アメリカからお招きしたメリッサ ブライマー先生とパトリシア ワトソン先生によるサイコロジカル・リカバリー・スキル(SPR)についての講義がスタートしました。
通訳は二日を通してJSTSS大澤智子副会長が担当。
SPRの研修は本来通訳なしで丸2日かけて行うとのことで、今回はそれを通訳を入れて1日でできる内容に凝縮していただき、SPRの概略が理解できる内容となりました。
各セクションにロールプレイや質疑応答などをはさみ、被災地で実際に聞かれた声や現在困っていることなどを参加者から聞き取りながら講義が進められました。
二日目は、学校で事件や事故が起こった際に、サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)をどのように使うのかが講義のテーマでした。
参加者を4つのグループに分けて、現在被災地の学校現場で起こっている問題を話し合い、それをシェアする機会が設けられたり、二人一組でのロールプレイ、またグループでPFAを使う時のロールプレイなどが行われたりしました。
講師のお二人は、今後の東北における復興において今回の研修が役に立つことを願うということ、そして既に多くのすばらしいことが被災地において行われていると聞き感銘を受けたという言葉で講義を締めくくりました。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。
12/6宮城県看護協会で研修を行いました。
12月6日宮城県看護協会会館・看護研修センターにて、「看護管理者として災害に備える懇親会」の一環として、JSTSS副会長 大澤智子(兵庫県こころのケアセンター主任研究員)が宮城県内の看護部長52名を対象に研修を行いました。
当研修は、NPOパートナーシッププログラムの一環として公益財団法人Civic Force様からの支援を受けています。
テーマは「看護管理者としてメンタルヘルスを学ぶ 業務ストレスの基礎と理解」です。
看護職が業務中に体験する惨事ストレスとその対策に関する基礎知識が講義の中心となりました。
また管理職としてどのように対応すべきか、関わる際にどのような点に注意したらよいのかなど、過去の調査結果などを例にとりながら講義は進み、参加された皆さんはとても熱心に聞いておられました。
管理職自身がしっかりセルフケアを行うことで現場がより働きやすい職場になることなど、支援者側のメンタルヘルスの大切さが伝えられました。
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