2011年11月1日火曜日

JSTSSの取り組み-その1「情報発信に関する基本的考え方」

 今回の東日本大震災では当学会関係者の多くが、所属する組織の一員として、あるいは個人の資格で、救援および支援活動に従事してきました。たとえば、都道府県が派遣した精神科医療を担うこころのケアチームに参加した場合や、臨床心理士会をとおして教育現場に派遣された場合などの活動が挙げられます。一方で、学術団体であるJSTSSとして何をなすべきか、何ができるのかについての議論も当初から行われました。具体的可能性を探るために特別委員会の設置が理事会で承認され、まず情報発信に取り組みました。
 インターネット時代に起きた今回の災害では、ホームページ、ブログ、メーリングリストだけでなくフェイスブック、ツイッターなどの新たな方法が駆使されました。その結果、情報が迅速に共有されたという利点があった反面、さまざまな情報が氾濫し、中には真偽を疑わせるものや個人情報保護の観点で問題を孕むものがあったのも残念ながら事実です。被災地内のある保健師は「私たちの活動は丸裸にされているに等しかった」と、涙ながらに述べていましたが、情報の氾濫が現場を混乱させている側面があったのです。そのため、JSTSSが行う情報発信としては、これまでの実践と知見に裏打ちされた確実な情報を伝えることを目指し、ウェブとブログに理事が書き下ろした記事を中心に掲載しました。

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